【レポート】通訳案内士試験(二次・英語)受験体験記(2020年)-プレゼン・通訳の実例付き!

通訳案内士の二次試験は、英語力だけでなく、日本文化や状況対応力が問われる実践的な試験です。この記事では、私が2020年に英語で受験したときの体験を、出題内容や回答例を交えてご紹介します。記憶ベースなので少しあいまいな部分もありますが、これから受験する皆さんの参考になれば嬉しいです!
📚目次
1.試験概要と会場、試験官の印象
試験日時:2020年12月
試験時間帯:13:00~14:00
試験会場:大学

会場の大学に着くと、まずは数百人が座れる大きな講堂で待機。
(待機中、テキストなどは見てOKでした!)
そのあと複数人数ごとに別の教室の廊下に誘導され、部屋の前で待機。順番が来たら、一人ずつ教室に入るという流れでした。
日本人試験官:女性、60代後半~70代。穏やかで優しく、謙虚な雰囲気。話し方もゆっくりで、安心感がありました。
外国人試験官:男性、50代後半~60代前半。英国のアクセント、落ち着いた話し方。
注意事項:入室後、中央の椅子に座り、荷物は右側の椅子に置くよう指示されました。

試験官の二人とも、とてもにこやかで優しく、初受験で緊張していた私にとって救いでした。
2.プレゼンテーション課題、質疑応答
机に上に置いている紙をめくると、3つのテーマが書かれていました。1つを選んでプレゼンを行います。私は「梅雨」を選びました。
- ①小倉百人一首
- ②梅雨
- ③多目的トイレ(みんなのトイレ)

「梅雨」は、事前に準備していたトピックの一つだったので、ラッキーでした!
🗣 私がプレゼンで話した内容
「梅雨は、日本の雨の季節のことです。北海道など一部の地域を除いて、毎年6月~7月に訪れます。梅雨の期間は、湿度が高く、カビや食中毒が発生しやすくなります。
とても嫌われがちな時期ですが、梅雨ならではの楽しみ方もあります。」
“Tsuyu is Japan’s rainy season. It usually hits from June to July, except in places like Hokkaido. It gets super humid, and things like mold and food poisoning become more common. A lot of people don’t really like this time of year, but there are actually some fun and unique ways to enjoy the season too.”
プレゼンの後の試験官からの質問
①試験官:When exactly is the rainy season? (梅雨の具体的な期間は?)
私の回答:”It changes a little from year to year, but it’s usually somewhere between June and July.” (その年によって多少違いますが、毎年6月~7月の間です。)
②試験官:What is it like to enjoy the rainy season? (梅雨の時期の楽しみ方とは?)
私の回答: Japan is surrounded by mountains, and during the rainy season, the greenery becomes especially rich and beautiful. Hiking in the rain can be tough, but visiting a mountain café by car and enjoying a cup of coffee while looking out at the trees is a truly relaxing experience. If you have time, consider a trip to the Chichibu area in Saitama. It’s an easy day trip from Tokyo.
3.外国語訳とシチュエーション問題
続いて、外国語訳とシチュエーション問題です。
外国語訳問題の文章:
日本では現金が好まれているが、世界ではキャッシュレス化が確実に進んでいる。訪日客を受け入れるにあたり、日本でも、クレジットカード、電子マネー、スマートフォンでの決済をとりいれることが求められている。それは地方についても同じである。
英訳例:
In Japan, people still tend to prefer using cash, but around the world, cashless payments are becoming more common. To make international visitors feel welcome, it’s important to accept credit cards, electronic money, and smartphone payments. And this goes for both big cities and rural areas.

比較的、単語が簡単な文章だったので、自信をもって答えることができました!
<シチュエーション>
地方を旅行している外国人旅行客が、電子決済が使えると思い、現金を持っていないが、お店では電子決済ができない。通訳案内士として、あなたはどのように対応するか?
<条件>
旅行客は夫婦。個人旅行。
シチュエーション対応:
私の回答: “I’m sorry, but this shop only accepts cash. There is a convenience store nearby where you can withdraw Japanese yen using your credit card. I can guide you there if you’d like. In rural areas of Japan, cash is still the main payment method, so it’s a good idea to carry some cash while traveling.”
試験官の質問と回答:
①試験官: “Why shops in rural regions do not accept caseless payment?”
私の回答: In some rural areas, cashless payments may not be very widespread yet. Also, in places with an aging population, it might be harder for newer technologies to catch on.
②試験官: “Do Japanese people carry large amounts of cash?”
私の回答: I think some people might carry a large amount of cash, but for everyday shopping, most don’t really spend that much. Plus, Japan is relatively safe, so in most cases, it’s not a big issue, I suppose.

専門家ではないので、断定口調ではなく、may, might や I think, I supposeなどを使って、自分が知っている知識を伝えるようにしました。
ただ、あくまで試験のシチュエーション問題なので、回答の正確性よりは、試験管の質問の意図をしっかりと把握して、それにそって答えられているか、といったコミュニケーション能力を見られていたように感じます。
4.試験の感想と反省
初めての二次試験はとても緊張しましたが、試験官のお二人がにこやかに迎えてくださったおかげで、冒頭から少しリラックスして臨むことができました。プレゼンテーションはとても緊張しましたが、運にも助けられたと思います。一方で、もともと会話が好きなこともあり、質疑応答はうまく対応できたと思います。
年が明けて、官報と公式サイトで自分の受験番号を見つけたときは、本当にうれしかったです!結局、一次試験(5科目)は4回、二次試験(口述)は1回の挑戦で、無事に合格することができました。
振り返ってみると、私の場合は一次試験の「歴史」を攻略することが、合格への鍵だったと感じています。また、私は明確な期間を決めず、できる範囲で勉強していたのですが、「絶対に1年で合格する!」というような強い決意があれば、もっと短期間での合格も可能だったかもしれません。
5.これから受験する方へ
もし私が、二次試験前の過去の私に伝えるとすれば「二次試験は、準備あるのみ!」です。英語が得意な方も、苦手な方も、とにかくプレゼンテーションの準備をしてください。自信をもってプレゼンできるトピックが増えれば増えるほど、合格に近づきます。
そして、意外と重要だと感じた個所は、質疑応答(対話)の部分です。相手が何を求めてるのか、何を知りたいのか、即座に把握できないと、ガイドとしてはうまくいきません。ヒアリングが苦手な方は、徹底してヒアリングを強化してください。一方で、回答するときに、完璧な英語で話そうという気負いは不要で、相手に伝わりやすいシンプルな回答を意識したらよいと思います。
- プレゼンの準備を!想定される語彙や表現はリストアップして練習を!
- とにかくアウトプット!対話ができるように
- しどろもどろでも諦めずに、自分の言葉で話せば大丈夫。
この記事が、皆さんの試験対策のヒントになれば幸いです!応援しています!
6.おまけ:スピーキング力は、英語のアウトプット量と比例!?
通訳案内士の二次試験では、瞬発的に英語を話す力が求められます。これは、インプットだけではなかなか身につきません。やはり「話す量」がモノを言います。特におすすめなのがオンライン英会話。毎日15分でも、外国人講師と会話する習慣をつければ、驚くほどスピーキング力が上がります。予想問題を実際に話してみるのも効果的です!